この記事では聴診器について解説します。
看護師としてよく使う聴診器。一方で、聴診器の特徴や機能についてはご存知でしょうか?聴診器の特徴や機能を知ることで、より自分にあった聴診器を選ぶことができます。

聴診器って色々あるけど何が違うの?
どんな聴診器を選べばいいの?.
この記事ではこのような疑問について解説します。
聴診器の選び方
聴診器を選ぶ時のポイントは主に3つあります。
聴診器を選ぶポイント
- ヘッド
- 聴診できる音に関わる
- チューブの構造
- 音の質に関わる
- 耳管のバネとイヤーチップ
- 耳へのフィット感に関わる
ヘッド
一つ目のポイントはヘッドです。ヘッドの種類によって聴診できる音が異なります。
ヘッドの種類
ヘッドにはダイアフラム(膜)面とベル面の2つがあります。
ダイアフラム面は高音域の音、ベル面は低音域の音の聴診が得意です。
高音域の音
- コロトコフ音
- シャント音
- 腸蠕動音
- 呼吸音
- 心音(Ⅰ音、Ⅱ音)
低音域の音
- 過剰心音(Ⅲ音、Ⅳ音)
- 肺胞音
ヘッドがダイアフラム面のみのものをシングルヘッド型、両方ついているものをダブルヘッド型といいます。







シングルヘッド型とダブルヘッド型、どっちを買うべきかな?
循環器領域ではダブルヘッド型がおすすめですが、それ以外の領域であればどちらでも良いです。
シングルヘッド型には薄くて使いまわしやすいという長所があります。
サスペンデットダイアフラム
ヘッドによってはサスペンデットダイアフラムという機能もあります。
ダイアフラム面1つで高音域と低音域を聞き分けられる機能です。
サスペンデットダイアフラム
- 強く押し当てる
- 高音域の音
- 弱く押し当てる
- 低音域の音







この機能がついていればシングルヘッド型でも低音域を聴診することができます。
チューブの構造
続いてチューブの構造です。チューブの構造は音の質に影響します。
チューブの構造の種類
聴診器のチューブにはシングルチューブとダブルチューブがあります。




ダブルチューブは見た目は1本のチューブですが2本のチューブが一体化しています。ダブルチューブの方が音響効果が高いです。
ダブルチューブの特徴
- 音が立体的に聞こえる
- 雑音の遮断性が高い
- 微弱な音をより聴きやすい



シングルチューブとダブルチューブどっちを買うべき?
シングルチューブで十分です。
ダブルチューブは医師向けモデルで価格も効果です。「聴診を極めたい!」という方にはおすすめします。
耳管のバネとイヤーチップ
耳管のバネとイヤーチップは耳へのフィット感を左右します。
耳管のバネの種類
耳管のバネには内バネ式と外バネ式とがあります。




耳管のバネがチューブ内部にあるのが内バネ式、チューブの外にむき出しになっているのが外バネ式です。
- 高価になりやすい
- 使いまわししやすい
- 安価につくれる
- バネが紙や物が当たった際に雑音を拾うため、使いまわしにくい
内バネ式の方がタイトなフィット感のものが多いです。反面長時間の使用で耳が痛くなりやすい面もあります。



内バネ式と外バネ式どっちを買うべき?
内バネ式をおすすめします。
外バネ式は安いですが、小さなことが結構ストレスになります。使用機会が少ない場合や細かいことを求めない場合は外バネ式でも良いかと思います。
イヤーチップの種類
イヤーチップは主にサイズと材質が違います。
サイズには「S・M」、「大・小」など、材質には「ソフト(シリコン系)・ハード(プラスチック)」があります。



イヤーチップのおすすめポイントは?
個人的にはソフト素材のものをおすすめします。
イヤーチップに関しては、イヤホンをイメージすると自分にあったものが考えやすいかと思います。
おすすめの聴診器
個人的にはリットマンがおすすめです。
日本で最も人気のあるメーカーで、機能面でも無駄がないです。
どれか迷うのであればクラシックⅢ、音にこだわりたい人にはカーディオロジーⅣをおすすめします。



最上位モデルにマスターカーディオロジーというモデルもありますが医師向けモデルで高価です。
3M リットマン クラシックIII ステソスコープ
ヘッド | ダブルヘッド |
チューブ | シングルチューブ |
耳管のバネ | 内バネ式 |
イヤーチップ | ソフトシーリング |
サスペンデットダイアフラム | あり |
カラーバリエーション | 豊富 |
3Mリットマン カーディオロジーIV ステソスコープ
ヘッド | ダブルヘッド |
チューブ | ダブルチューブ |
耳管のバネ | 内バネ式 |
イヤーチップ | ソフトシーリング |
サスペンデットダイアフラム | あり |
カラーバリエーション | 豊富 |
まとめ


聴診器の選び方のまとめ
- ダイアフラム面は高音域の音の、ベル面は低音域の音の聴診に向いている
- ダブルチューブはシングルチューブより音の質が良い
- 耳へのフィット感は耳管のバネとイヤーチップの種類で決まる
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