この記事では失業手当について解説しています。
失業手当は失業者の生活を支えるために支給されるお金です。支給の対象になるのは労働の意思と能力のある失業者です。
失業手当の対象者
- 労働する意思はあるけど職につけていない失業者
- 労働する能力はあるけど職につけていない失業者
退職後ゆっくり転職活動したい人には失業手当の受給はおすすめです。
とはいえ、失業手当に関する疑問も多いかと思います。

・失業手当を受給するまでの流れは?
・失業手当はいつもらえる?
・失業手当はいくらもらえる?
・失業手当受給中にバイトはできる?
この記事ではこのような失業手当に関する疑問を解決します。
失業手当をもらうまでの流れ


失業手当をもらうまでの流れ
- ハローワークへ離職票ををもって行く
- 所定の期間待期する
- 雇用保険説明会・初回講習に参加する
- 失業認定日に失業認定を受ける
ハローワークへ離職票を持っていく
ハローワークへ離職票を持っていくことで失業手当の受給が決定します。失業手当をなるべく早く欲しい人は離職票が届きしだいハローワークへ行ってください。



離職票はどうやってもらうの?
離職票は、退職時に職場に伝えればもらえます。退職日の翌日以降に、おおよそ1週間程度で届くはずです。
所定の期間待機する
受給資格が決定した後は所定の期間待機しなければなりません。待機する期間の長さは退職理由によって異なります。
待期する期間の長さ
- 職場の都合で退職した人
- 7日間(=待期期間)のみ
- 自己都合で退職した人
- 7日間(=待期期間)+2ヵ月間(=給付制限期間)
それぞれ待機の期間が終わると給付期間に入ります。給付期間中に失業認定を受けることで失業手当が振り込まれるようになります。


職場の都合で退職した人は、7日間の待期期間が過ぎればすぐに給付期間に入ります。


自己都合で退職した人は、7日間の待期期間が過ぎた後さらに2ヵ月の給付制限期間があります。この給付制限期間が過ぎてようやく給付期間に入ります。
雇用保険説明会・初回講習に行く
待期の期間が終了すると、その1週間後くらいに雇用保険説明会・初回講習というものがあります。
雇用保険説明会・初回講習で行わること
- 雇用保険に関する説明
- 失業手当に関する説明
- ハローワークでの求職活動の行い方
- ハローワークの設備の使い方
雇用者保険説明会・初回講習では、雇用保険やハローワークでの求職活動の行い方について説明されます。
失業認定日に失業認定を受ける
失業認定日は、失業の状態をチェックを受ける日です。給付期間中に28日間隔で設けられます。この日に、所定の期間中に失業状態であったことが認められることを失業認定と言います。
失業認定日に失業認定されることで、認定された日数分の失業手当が振り込まれます。



失業認定ってどうやるの?
ハローワークに失業認定申告書という用紙を提出し、それを職員が確認します。
失業認定申告書に記載する内容
- 期間中に行った4時間以上の労働と4時間未満の労働の有無
- 4時間未満の労働で得た賃金の金額
- 求職活動実績
- ハローワークの招集に応じられるかどうか
- 就職が決まったかどうか
特に大事なのは求職活動実績です。求職活動実績は求職のための活動をしているという証明で、失業認定日ごとに一定回数必要になります。
なお初回の失業認定に関しては、初回講習が求職活動実績1回分としてカウントされます。
失業手当Q&A


受給するための条件は?
失業手当の受給資格
- 職場の都合で退職した人(倒産・解雇など)
- 退職前1年間の間に雇用保険に入っていた期間が6か月以上ある
- 自己都合で退職した人
- 退職前2年間の間に雇用保険に入っていた期間が1年以上ある
失業手当を受けるためには、退職前に一定期間雇用保険に入っていることが必要です。必要な期間は、退職理由によって異なります。
失業手当が振り込まれるのはいつ?
失業手当を振り込まれる時期
- 職場の都合で退職した人(倒産・解雇など)
- ハローワークに離職票を持って行ってから約1ヵ月後
- 自己都合で退職した人
- ハローワークに離職票を持って行ってから約3か月後
失業手当はいつ振り込まれるのかも退職理由によって異なります。自己都合で退職した人の場合は、給付制限期間が2ヵ月あるので、振り込みまれるまでの期間が長くなります。
失業手当はいくらもらえる?
失業手当の全額
失業手当の金額=失業手当1日分の金額 × 何日分もらえるか
失業手当の金額は、失業手当1日分の金額(=基本手当日額)と何日分もらえるか(=給付期間の日数)で決まります。
失業手当1日分の金額について
失業手当1日分の金額
退職前6か月分の給与÷180 × 45~60%
失業手当1日分の金額(=基本手当日額)は退職前6か月間分の給与をもとにして決まります。看護師の場合はおおよそ5000円~6000円程度になると思います。



金額には上限があります。
離職時の年齢 | 基本手当日額の上限額 |
---|---|
30歳未満または65歳以上 | 6,760円 |
30歳以上45歳未満 | 7,510円 |
45歳以上60歳未満 | 8,265円 |
60歳以上65歳未満 | 7,096円 |
何日分もらえるかについて
何日分もらえるか(=給付期間の日数)は、まず退職理由によって異なります。
職場都合での退職の場合は下記の通りです。最短90日~最長330日となります。
離職時の年齢/被保険者であった期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
自分の都合での退職の場合は下記の通りです。最短90日~最長150日となります。
離職時の年齢/被保険者であった期間 | 10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|
全年齢 | 90日 | 120日 | 150日 |
失業手当受給中にバイトは可能?
失業手当受給中のバイト
- 7日間の待期期間
- バイト不可
- 給付制限期間中
- 週20時間未満のアルバイトであれば可能
- 給付期間中
- 週20時間未満のアルバイトであれば可能
- 週20時間未満のアルバイトであれば可能
結論を言うと、申告さえすれば時期によってはバイトは可能です。ただし、ハローワークによってローカルルールが異なるので、必ず直接確認してください。



週20時間って何の基準なの?



雇用保険への加入が必要になる基準です。
雇用保険に加入してしまうと失業手当の受給資格がなくなります。
- 勤務開始から31日以上の雇用が見込まれること
- 1週間に20時間以上の労働が見込まれること
給付期間中のバイトについて
給付期間中のバイトには、さらに細かなルールがあります。
給付期間中のバイトについて
- 1日の労働時間が4時間以上・・・その日の分の失業手当が先送りになる
- 1日の労働時間が4時間未満・・・収入金額が一定以上になると失業手当が減額される
4時間以上の労働だと失業手当が先送り、4時間未満の労働だと収入金額によっては失業手当が減額ということです。



先送りされた失業手当ってどうなるの?
給付期間の最終日の翌日以降に繰り越されます。



何円稼いだら失業手当が減額になるの?
1日分の失業手当の金額(=基本手当日額)と退職前6か月の平均給与(=賃金日額)によって異なります。
求職活動実績となるものは?
求職活動実績となるもの
- 求人への応募
- ハローワークが行う職業相談、職業紹介等
- ハローワークが行う各種講習、セミナーの受講
- 許可・届け出のある民間機関が行う職業相談、職業紹介等
- 許可・届け出のある民間機関が行う求職活動方法を指導するセミナー等の受講
- 公的機関等が行う職業相談等
- 公的機関等が行う各種講習・セミナー、個別相談ができる企業説明会等の受講、参加等
- 再就職に資する各種国家試験、検査等の資格試験の受験等
求職活動実績については様々なものがあります。これに関しても、ハローワークごとのローカルールが異なるので、判断が難しい場合は直接確認してください。
求職活動実績の簡単な作り方
さて「簡単に求職活動実績を作りたい!」という人も多いかと思います。
転職エージェントを利用すると求職活動実績を簡単に作れます。転職エージェントで職業相談をすれば求職活動実績としてカウントされるからです。



転職エージェントはスマホでやりとりすることが多いのでハロワに行かなくても簡単に実績が作れます。
転職エージェントの利用で注意が必要なのは「許可・届出」があるかどうかです。「許可・届出」がないエージェントは求職活動実績として認められません。
失業手当受給中に転職活動と求職活動実績の確保が両立できるのでおすすめです。
\ おすすめの転職エージェント /
まとめ


- 失業手当は病院都合退職と自己都合退職でもらうまでの流れが異なる
- 職場都合退職の場合、手当の振り込みまで1ヵ月ほどかかる
- 自己都合退職の場合、手当の振り込みまで3か月ほどかかる
- 失業手当の金額は退職前6か月の給与で決まる
- 失業手当受給中のアルバイトは可能だが、必ず申請が必要で、細かなルールがある
- 失業認定に必要な求職活動実績は転職エージェントを使うことで簡単に作れる
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